宙を浮く、私の居場所はどこにでも。
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夜の吉祥寺に早く着きすぎた。
少し気分が曇っていた。
ビルの勝手口のようなところで、温かい紅茶を飲んでいると
おばちゃんの声が聞こえる。
「ぴーちゃん、ぴーちゃん」
実際なんていっているかわからないけど、
一人でそう言って、ウロウロしていた、
そのあたりでは、僕とおばちゃんしかいなかった、
僕は「ぴーちゃん」では無いのでなんとなくばつが悪い感じだった。
それに「ぴーちゃん」は自分の飼ってる鳥だ、正式にはpちゃんだが。
でもおばちゃんはとても心配そうに「ぴーちゃん」といってきょろきょろ
している。
きょろきょろしつつ、僕のいる勝手口の方に来て、「こんばんわ」と
あいさつを互いにしたが、彼女の心」は「ぴーちゃん」で一杯で、
上の空だった。そうしてビルの地下におばちゃんは消えていった。
「まさかうちのpちゃんじゃないだろうしなあ・・・」とばかげた妄想
が膨らんできた頃、自分の後ろの植え込みから、
猫が一匹ぴょんと飛び出してきた。
猫はキョロキョロしている、僕は「あ、まさか」と思った時
猫はビルの地下に下りていった。
目を閉じる事にして少し間がたった頃、
地下から「ぴーちゃん!」というおばちゃんの歓声が
聞こえた。そして「にゃーん」。
天使かと思った。
気分は晴れて、
夜が薄暗くなる前に、目的地に向かった。
それにしても「ぴーちゃん」ではなく
「みーちゃん」だったのではないだろうか・・・。
天使であればとても粋だ。
そんな事がいつだか、あった。
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